むかしの話

昔mixiで書いてた話の再掲が中心

⑤大物助っ人外国人

昔のブログを加筆修正して載せます

「大物助っ人外国人」【2008年2月1日 記】

 

 

 

2006年ぐらいの話。

 

草野球の練習試合に呼ばれた。

お前の力が必要だから、と呼ばれたわけではなく、

ただ人数が足らないから、という理由で呼ばれた。

 

野球観戦は大好きだが、

野球の経験は全く無いので、

実践は全然うまくない。

だから、頭数として呼ばれた。

 

 

自チームも相手チームも

職場仲間+その友達みたいな構成で、

両チームとも本気で勝負!というよりかは、

和やかなムードで試合前のアップが始まった。

 

 

相手チームのアップの様子を見ていると、

メンバーに1人外国人が混じっていた。


白人で190㎝以上の長身、

口ヒゲとアゴヒゲをたくわえており、

いかにも「助っ人」という風貌だった。


対戦相手に外国人が居たのは初めてなので驚いた。

当然、ものすごく目立つので、

自チームのメンバーも、すぐにそれに気づいて、

どよめき始めた。

 

「おい!外人が居るぞ」

「なんだアイツ、デカイなぁ」

 


『ヘイ、ルーク!』

相手チームのメンバーが

キャッチボール中に彼の名を呼んだ。

 

名前:ルーク

情報をひとつ手に入れた。


ルークはチームにしっかりと溶け込んでいる。

日本語も流暢とまではいかないが、

極端な片言でもない。

きちんと会話をしている。

 

キャッチボールも、

外国人らしいフォームでゆったりと投げている。


しかし、我々チームにとっては、

「ルークという名前の外国人」という情報しかない。


それしかわからない。

 

「すごいヤツを連れてきたな!」

「どんだけ打つのかな?」

「今日はヤツを抑えないと勝てないぞ!」


とにかく彼のデータが何も無いので、

色んな憶測が飛び交った。

 

 

試合開始。


いよいよ彼の打席が回ってきた。

自チームの守備陣にも緊張感が漂った。

 

右打席に立った。

彼のバッティングフォームも、

まさに外国人っぽいスタイル。

スタンスをやや広くしたクローズドスタンス。

マイク・ブラウン(G)

ジェシー・バーフィールド(G)

左で言うとジャック・ハウエル(S)

みたいな。

 

 

利き腕:右投右打

フォーム:クローズドスタンス

試合中に新しい情報を手に入れた。

 


狭い草野球のグラウンド。

いかにも場外ホームランを

かっ飛ばしそうな雰囲気だった。

 

 

 

結果は、

 

三振。

 

 

次の打席も、

 

三振。

 

 

その次の打席も、

 

これまた、三振。

 

 

守備では、

何でもない簡単な外野フライを、


ポロリ。

 

 

そう、

彼はライトで8番。

いわゆるライパチくんだった。

 

 

外国人の草野球選手も初めて見たが、

プロアマ通じて日本球界で

外国人のライパチくんも初めて見た。

 

 


彼は、外国人だから呼ばれたわけではなく、

ただ単に頭数が足りなかったから、

国籍に関係なく呼ばれただけ。

 

私と同じだ。


全く期待ハズレの助っ人外国人だった。

いや、最初からライパチくんで起用するぐらいだから、

期待通りの活躍と言ったほうがいいのだろうか。

 

だから、正確にいうと助っ人外国人ではない。

ただの外国人。普通の人。

 

 

しかし、彼は楽しそうに野球をやっていた。

 

それならそれでいい。

 

 

頑張れ!ルーク!!

 

「助っ人外国人」と呼ばれる日まで・・・。